第49章 #49 預けられた伝言
リヴァイ、ナイルから話を聞いているという事はリリアと一緒になりたいと思ってくれたからだろう。
あの子は過去の事が原因で他の者よりも精神年齢が低く、泣き虫で、甘えたがりで、極度の寂しがりやで……少し我儘な所がある。
だが誰よりも大事な者を想い、大切にするとても良い子だ。
それはお前もよく分かっているだろう。
俺がいなくなり、あの子は大丈夫だろうか?
今、元気にしているか?
泣いてはいないだろうか…
心配な事は山積みだが、お前が側にいるならきっと大丈夫だろうと信じている。
ふつつかな妹だが、よろしく頼む。
どうか二人で幸せに、この先を生きていってくれ。
「だとさ」
「………」
「俺からもよろしく頼むよ。リリアちゃんは俺にとっても妹のような存在だからな」
「あぁ」
「……リヴァイ?」
何故かリヴァイが考え込んでしまった。
エルヴィンの言葉に何か思う事があるのだろうか。
「どうした?」
「いや……アイツはどんな想いでお前に伝言を預けたんだろうな……まだ死ぬかも分からないあの状況で…愛する女の事を他の男に任せるなんて普通出来るか?」
「それだけリリアちゃんの事を愛しているし、お前を信頼してるんだろう?何だ気が変わったのか?」
「いや……それはねぇけどプレッシャーをエルヴィンから感じる…」
ナイルは声を出して笑った。
それもまたエルヴィンの策なのだろう。
これでリリアを幸せに出来なかったらどれだけ恨まれるだろうか。
「ならもう一つプレッシャー与えてやろうか?」
「あ?」
「これは俺に言った言葉だけどな」