第49章 #49 預けられた伝言
「リリア、もう帰るぞ」
「リヴァイ……うん」
リリアは立ち上がると先を歩くリヴァイの手を握った。
リヴァイも握られたその手にギュッと力を込める。
「ねぇ…リヴァイ…」
「ん」
「……何でもない。あの、今日は夜行ってもいい?」
「構わないが俺は用があるから出るぞ」
「いないの?どこ行くの?」
心配そうに顔を覗き込むリリアが何だか可愛らしい。
「話があると言われただけだ」
「誰に?そんな夜に会わなきゃいけないの?」
「何だ、妬いてるのか?」
「う……」
リリアが唇を尖らす。
リヴァイに言われ、面倒臭い感じに思われたのではないかと若干焦った。
手を離し、距離をあける。
「いい、なら行かない」
「話が終わったら直ぐ戻る。安心しろ、ナイルだ」
「え?なんだ!ナイル兄ちゃんか!」
相手が分かり、表情を明るくして小走りでリヴァイに近付き再び手を握る。
ジッとリヴァイを見るとニコッと柔らかく微笑まれ、リヴァイも口角を上げた。