第49章 #49 預けられた伝言
そんなリリアを遠くから見ているリヴァイに突然誰かが声を掛けた。
振り返るとそれはナイルだった。
「リリアちゃん大丈夫か?」
「今の所はな」
リヴァイの隣でリリアを見るナイル、そんなナイルをリヴァイは見上げ口を開いた。
「なぁ」
「何だ?」
「嫁に結婚申し込む時になんて言った?」
ぶっ、とナイルが噴き出す。まさかリヴァイからそんな事を聞かれるとは思ってもいなかった。
「別に普通に……というか……まさかお前……リリアちゃんにプロポーズする気か?」
「……まぁ……まだ早ぇか?」
リヴァイがリリアを大事にしているのは良く分かる、エルヴィンのいなくなった後、リリアがちゃんと生きていけるかどうか心配だったが、彼なら任せられるとナイルも思っていた。
今なら彼に伝えられる、預かったあの言葉を。
「リヴァイ、今夜に俺の所に来れるか?」
「あ?」
「お前に伝言を頼まれているんだ」
「伝言?今言えよ、誰からだ」
「エルヴィン」
その名にリヴァイが目を見開き固まる。
「いいか?夜に来いよ?一人でだ、リリアちゃんには言うなよ」
ナイルは手を上げてその場から去った。
一体何だと言うのだ、エルヴィンからの伝言とは。
意味が分からなかったがとにかく夜に行けば分かるだろう。
リヴァイは再びリリアの方を向くと足を進めた。
そろそろ連れて帰らねば。