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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第49章 #49 預けられた伝言



"彼女はエルヴィンの妹だが血は繋がっていない他人同士です"


先程の言葉が頭を駆け巡る。
リリアは大きく息を吐き、頭を垂れた。
やはり他の者にとってリリアとエルヴィンは血の繋がりのないただの赤の他人なのだ。
どんなに自分が家族と思っていても、周りからは認められない。


「家族……って…なんだろう……私はお兄ちゃんの…なんだったろう…」

「リリア兵長」

突然声をかけられ、リリアは顔を上げた。
声をかけたのはヒストリアだった。黙って戻ってきたのだろう。

「……どうしましたか?」
「今は二人だけですから…敬語はいいですよ。あの…さっきはありがとうございました。エレンもリリア兵長も私の事を思ってくれて…」
「ヒストリアは確かに今は壁内の王様だけど、その前に私達と一緒に戦った大事な仲間だからね。当たり前でしょ?」

ヒストリアが笑う。
すると彼女はリリアの手をギュッと握った。

「さっきの言葉は気にしないで下さい。エルヴィン団長とリリア兵長は、私から見たら誰よりも強い絆で結ばれた兄妹でした、家族でした」
「………ヒストリア」
「それじゃあ、行きますね。抜け出してきちゃったから探されちゃう」
「うん」

ヒストリアは頭を下げると、その場から去っていった。
それを見送り、リリアは長い長い息を吐きながら天井を見上げた。


「……家族……」


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