第49章 #49 預けられた伝言
そして会議は終わった。
要求を飲むかの判断はまだ出来なかったが、パラディ島は義勇兵の力が今後必要になる。
縛り首にしろ、など厳しい意見も出たが今は彼らの力を借りて軍事力の向上、パラディ島の発展を優先するという結果となった。
皆が会議室から出ていく中、リリアだけはなかなか立ち上がらなかった。
ハンジやエレン、少し離れた所にいるヒストリアも心配そうにリリアを見つめている。
「リリア、行くぞ」
リヴァイが声をかけたが、リリアは視線を動かさないままリヴァイに返した。
「先に行ってくれる?私、もう少ししたら戻るから」
「それなら俺もいる」
「一人にして。ごめん」
リヴァイは息を吐くと、ハンジやエレンに行くぞ、とその場から離れるように促した。
会議室から出るとハンジがリヴァイに声をかける。
「リヴァイ、リリア一人で大丈夫?」
「俺がここから見てる。ハンジはエレンからさっきの話を聞いておけ」
「分かった。エレン、行こう」
はい、と返事をし二人はその場から去った。
リヴァイは壁にもたれるとリリアを静かに見守った。