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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第48章 #48 反マーレ義勇兵



「リリア?どうした?」
「………」

リリアは何も言わずポロポロと涙を流してリヴァイの手を握り返した。
それほどに獣の巨人であるジークが義勇兵を送ってきた事を受け入れる事が出来ないのだろう。
最近ではあまり精神的に弱る事がなくなり安心していたのだが、イェレナの言葉に再び心が動揺してしまっているようだ。

「お兄ちゃんに……会いたい」
「……エルヴィンはもういねぇよ。会えねぇ」
「ジークとかいう奴の言う事なんか聞きたくない……嫌だ…お兄ちゃん……お兄ちゃんを返して…」

少し沈黙し視線を落としたが、リヴァイは再びリリアを見上げた。

「リリア、俺がエルヴィンから受けた最後の命令はなんだ?」
「え…?えっと……獣の巨人を討つ…」
「そうだ。俺は必ずエルヴィンの命令を遂行する、何があってもだ。意味が分かるか?」

リリアはジッとリヴァイを見つめた。

「この先上の奴等がどう決めても、俺はエルヴィンの命令を聞くだけだ。いいか?俺が受けたのは獣の巨人の討伐だ。もう一度言う、獣の巨人の討伐だ」
「リヴァイ……」

うん、と頷くがリリアの涙は止まらない。
リヴァイはリリアの体を抱き上げるとあやす様に背中をポンポンと叩いた。

「なぁリリア、俺がいるだろ?」
「うん……」
「泣くな。お前が泣いてたらアイツらが心配する」

リヴァイはテントに向かって歩き出す。テントに戻るとエレン達104期がリリアを必死に宥めに来た。
驚きリリアは目を丸くするとリヴァイから降りた。

「リリア兵長!!大丈夫っすよ!!俺達が付いてるんで!!」
「寂しくないですから!!」
「特別サービスで持ってきていた干し芋半分差し上げます!!」

おそらくエレンからリリアが再び精神的に弱ってしまったと聞き、気を使ってくれているのだ。
必死に安心させようとしてくる彼らにリリアはとても心が温まった。

「ごめんね…みんな。ありがとう、大丈夫だよ」

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