第48章 #48 反マーレ義勇兵
「エレン〜〜」
「はいっ!!おわっ!!!」
リリアが勢いよくエレンに抱き付いた。
「どうなっちゃうんだろう……これから…」
「………」
「エレン?」
「分かりません……ただオレは……」
その時だ。
ガサッという物音にリリアはエレンから離れると胸元からナイフを出しエレンを庇う様に物音の方へ体を向けた。
とにかくエレンだけは護らねばならない、リリアは厳しい表情で睨んだが、そこに立っていたのはリヴァイだった。
「……いい反応だ」
「リヴァイ……」
「壁内に戻る。エレン、すまなかった」
「いえ…じゃあオレ、先に戻りますね」
「ダメだよ、エレンは一人になっちゃいけない。一緒に帰ろ?」
でも、とエレンはリヴァイを見たが、リヴァイは身を翻し歩き出した。
パラディ島内とはいえマーレの船が来るような状況でエレンを一人には出来ない。
リリア、リヴァイ、エレンは皆が待っているテントへと向かった。
しかし途中でリリアの足が止まる。リヴァイとエレンが振り返るとリリアの顔は真っ青で冷や汗が流れていた。
「おい、大丈夫か?」
「リリア兵長…」
テントは目の前なのだが後少し足が前に出ないようだ。
「エレン、テントに戻ってタオルと飲み水準備してろ」
「は、はい!あの…大丈夫です?」
「精神的なもんだ。足が動かなくなっちまったんだろ。すぐ行く」
分かりました、とエレンは急いでテントへと向かった。
リヴァイはリリアの前でしゃがむと優しく手を握った。