第48章 #48 反マーレ義勇兵
テントから飛び出したリリアに、外から見張っていたエレン達が気付いた。
「あれ?リリア兵長だけ出てきたぞ」
「ホントですね」
コニーとサシャが首を傾げる。
リリアを目で追うエレンは、彼女が泣いているのが分かった。
「お前らまだ見張ってろ」
「え?エレン?どこ行くんだよ!一人になるんじゃねぇ」
「すぐ戻る」
エレンは皆から離れ、リリアを追いかけた。
ミカサが心配そうにエレンを見つめたが、追いかける事はしなかった。
リリアはテントから離れた所でうずくまって泣いていた。
エレンはリリアの前にしゃがむと顔を覗き込んだ。
「リリア兵長?どうしたんですか?」
「エレン……何でもない」
「泣いてるじゃないですか」
ゆっくり立ち上がるリリアに合わせ、エレンも立ち上がる。
リヴァイがすぐに追いかけてくるかと思ったが、来る気配はない。さすがにマーレの兵をハンジ一人に任せて来るわけにはいかないからだろう。
話し合いの中、おそらくリリアの精神を乱す何かがあったのだろうが、リリアは話そうとしない。
しかしどうにか元気にならないかとエレンは辺りを見渡した。
「リリア兵長、こっちに!」
「え?」
「いいから!」
エレンはリリアの手を握ると歩き出した。