第47章 #47 先遣隊を捕らえろ
「隊長!先遣隊が上陸して2時間、音沙汰無しです」
「うむ、第二、第三調査隊に準備を急がせろ」
「はっ!!」
調査船上では、先遣隊の知らせが全くないことから、続いての調査隊を上陸させようとしていた。
「戦士隊を打ち負かし、世界を脅かす悪魔の島、何としてでもその実態をマーレに持ち帰るのだ」
その時だった。船の後方から眩い光が放たれ、巨人が現れた。
エレンだ。
エレンは調査船を持ち上げると、作戦通り入り江へと船を運んでいく。
「うおお!!!」
「掴まれー!!!」
船から落ちないように兵士達は必死に船に掴まった。
調査船を運んでいるのが巨人だというのを確認すると隊長は歯を噛みしめた。
「悪魔…!!」
そしてエレンは入り江に到着しやや乱暴に船を降ろした。
するとハンジが手を振りながら飛び出してきた。
後方からニコロを連れたリヴァイとリリアも歩きながら前へ出る。
今から彼を使い何とか戦わずに本隊と話し合いをしたい。
ハンジの交渉術によるが、ハンジもかなり緊張している様子だ。
「マーレの皆さん、こんにちはー!!パラディ島へようこそー!!私はハンジ、はるばる海を渡って来られたお客様をお迎えする者ですー!!」
何故か明るく出迎えるハンジ、その隣にリリアも立ち、ペコリと頭を下げた。
敵意はないと見せなければ。
「はぁぁ〜どうぞー、こちらでお茶でも楽しんでいってください。あ、因みにお一足お先にお越しのお連れさまのお客様とは既に仲良しでーす!!」
("お"が多いなぁ…)
リリアが横目でハンジを見る。
この調子で大丈夫だろうか、自分達はこのパラディ島以外の人間と交渉するなど初めてな事、しかも我々エルディア人はよく思われていないのだから何をされるか分からない。
下手をすれば即殺される。
「だよねー?ニコロくーん?」
「隊長ー!!私に構わずこの悪魔どもを撃ってください!!!」
「な、何を言い出すんだ?!ニコロくーん!!」
「お前の三文芝居に付き合う気はねぇってよ」
リヴァイが呟いた。