第47章 #47 先遣隊を捕らえろ
「ニコロ……よく聞け悪魔ども!!マーレは汚れた血に貸す耳など持ち合わせていない!汚れた連中と豚の小便を啜るような真似はしない!!」
「はぁ〜?はぁ〜〜??いいのかなぁ?そんな悪口言ってぇ〜!!後ろの巨人が見えないのかなぁ〜??」
兵士達が後ろを見ると、そこには巨人化したエレンが見下ろしている。
何かをすればその巨人が黙っていない、少しばかりの威嚇だ。
しかし隊長は構わずハンジに向かって銃を向けた。
「悪魔の力などに屈するものか!これがマーレの挨拶だ!!」
「ひぃっ!!!」
引き金に力を込めたその時、リリアがハンジを庇おうと前に出るとハンジの体を引っ張って岩に隠れた。
リヴァイもニコロを手荒に引っ張り後方に下がる。
ほぼ同時にパァンと銃声がしたのだが、こちらには何の被害はない。
「えっ?」
恐る恐る顔を出すと、船上で隊長が倒れている。
撃ったのは調査船に乗っていた者だった。
「なんの真似だ、イェレナ!」
「武器を捨てるんだ」
銃を撃ったと思われる長身の兵士と、数人の兵士が船上にいる兵士に向けて銃を構えている。
「お前ら…」
すると隊長を撃ったと思われる兵士がヘルメットを外し、こちらを見た。
長身の金色の髪の短い女性だ。
「ハンジさん、お招きいただき光栄です。お茶しましょう」
ハンジやリリア、リヴァイは言葉が出なかった。
今起こった出来事が理解出来ない。
何故彼らは味方を撃ったのであろうか。
イェレナと呼ばれたその女性は後ろを振り向くとエレンを見上げ、笑った。
「会いたかったよ、エレン」