第47章 #47 先遣隊を捕らえろ
「えっ?まさか…」
「そう、リリアとリヴァイが組手をするとただのチンピラのケンカになるんだよ。勿論リリアは女の子だからリヴァイも手加減するけど、胸ぐら掴んで殴る、蹴る、頭突きをかます!」
言葉なく皆が固まった。
リヴァイはともかくリリアは訓練兵から調査兵団になった筈だ。
訓練兵時代で習う体術はどこへ行ってしまったのだろうか。
「そんな感じだからさぁ、あの二人が組手という殴り合いをしてるとエルヴィンが飛んできて大目玉!それを見てミケと大笑いしたの思い出すなぁ。二人は組手のつもりだから頭上にハテナマークが浮かんでたよ。何で怒られてるんだ?って」
思い出しながら笑っていたが、ハンジはゆっくり笑い終えると目を閉じた。
あの頃は大変だった。でも仲間がまだたくさんいて、楽しかった日も多くあった。
でもエルヴィンもミケもモブリットもみんな死んだ。
ハンジの昔からの馴染みはもう、リヴァイとリリアしかいない。
だからあの二人にはこの戦いが終わったら幸せになってほしい。それまで絶対に生きていて欲しい。
「懐かしいな…」
「ハンジさん……」
「さぁ!!あの二人が戻ったら作戦開始だよ!」