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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第6章 #06 新兵勧誘式



暗闇の中、松明だけが足元を照らしていた。
リヴァイは本部へ戻るために馬の元へ、リリアは見送るためについてきていた。

以前とは逆だ。


「リヴァイごめん、無理言って」
「やらなきゃお前が自信持てないなら、出来るまでやれ。兵士長になりたいから訓練つけろって言われた時よりはマシだ」

リリアが苦笑いをする。
リヴァイは軽く息を吐くと馬に跨った。

「じゃあな、お前も早く戻れ」
「うん、エレンの実験には私も参加するね」

あぁ、とリヴァイが返事をするとリリアが手を伸ばしてきた。
意味が分からず、とりあえずリヴァイは手を取った。


「いつもありがとう」
「………」


握った手をリリアがギュッと力を込める。
リヴァイは手を離すと前を向いた。

「早く寝ろよ」
「はぁい」

馬を走らせ去っていくリヴァイを見えなくなるまでリリアは見送った。
少し進んだ辺りでリヴァイは握られた手を見つめる。

何故か手が体のどこよりも温かい。


「………」


ギュッと拳を握ると前を見据え、再び旧調査兵団本部へと戻っていった。

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