第47章 #47 先遣隊を捕らえろ
先遣隊が上陸し数時間、数人の兵が銃を構えながらゆっくりと伸びきった草を掻き分け進んでいた。
その時だ。ガサガサという音がし、人影が目の前に現れた。
「誰だっ!!」
「きゃっ!」
現れたのは銀髪の美しい女性、怯えたような表情でこちらを見ている。
兵は銃をその女性に向けた。
「貴様!この島の者かっ?!」
「え、あ、はい……あなた方は?」
「現れたな!悪魔の末裔め……!!」
「待ってください!命だけは助けて下さい!!」
女性は今にも泣き出しそうな顔をして怯えて震えている。
すると一人の男が口を開いた。
「……コイツを使って案内させましょう。殺すのはその後でも構わないでしょう?」
「そうだな……おい、お前この辺りに人が集まっている所はあるか?」
「は、はい…向こうに兵士達が駐屯している場所が…」
「兵士、丁度いい。手前まで案内しろ。変な動きをしたら即撃つ」
「わ、分かりました」
拳銃を背中に突き付けられながら、女性は歩き始めた。
すると一人の男が女性の左腕を見る。その袖には腕が通っていない。
「あんた、左腕ないのか?」
「えぇ。巨人にやられました」
「……そうか」
女性は人目に付きにくいからと、木が生い茂っている場所へと案内した。しばらく歩くと足を止め、前方を指さす。
少し離れた場所にテントの様なものが小さく見えた。
「もう少し進むと開けた場所に出ます。そこに兵士達が駐屯している場所があります。見えますか?あのテントです」
「よし、これで貴様はもう用はない」
男が女性に銃を向ける。
「待ってください!私は何も!!」
「うるさい!!悪魔は滅べ!!」
引き金がガチャっと鳴り、女性はギュッと目を瞑った。
その時。
「よぉ、悪魔の島へようこそ」