第45章 #45 すれ違い
二人は食事を済ませ、後々リヴァイの部屋で会おうと一旦分かれ、リリアは浴場でボウっと湯船に浸かっていた。
(今夜かぁ……こんな宣言されるのなんて初めてだから照れるなぁ……)
ふと思う、リヴァイの初めてが自分で良いのだろうか、と。
もっとリードしてあげられる人の方が良いのではないか。
(いやいやいや!そんなリヴァイが私以外の誰かを抱くなんて想像したくない!!)
ブンブンと頭を振りさらに深く湯船に浸かる。
あぁ、自分はどれだけリヴァイを好きになったのかがよく分かる。
他の人は嫌だ、自分だけを見ていてほしい。
"一人で大丈夫"だなんて、嘘もいいところだ。
リリアは風呂から出ると、着替えてリヴァイの部屋へと向かった。
ドアを叩くと入れと言われ、中に入るといつも通りのリヴァイがいた。
「何だよ、髪の毛まだ濡れてんじゃねぇか」
「あ、うん……片手だとなかなか拭くの大変で…。待たせちゃいけないと思って慌てちゃった」
「こっち来い、拭く」
手招きされ、リリアはベッドの上に座った。
リヴァイはリリアの後ろに回ると乾いたタオルで髪を拭き始めた。
暖められた部屋に、丁度いい力加減で頭を拭かれとても気持ちが良い。
「髪の色、戻らねぇな」
「え?あ、そうだね」
「銀髪でも似合うけどよ、何かしらストレスなんだろうな」
「……かなぁ?」
拭くのが終わり、ポンっと頭を軽く叩かれリヴァイはタオルをカゴに入れた。
それからというもの会話がなく気まずい、お互いが意識をしすぎているようだ。
この空気を変えなくてはならない。
「リヴァイ、ここ!ベッド入って!」
「あ、あぁ」
リヴァイを呼び寝かせると、自分もリヴァイにくっつくように横になった。