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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第45章 #45 すれ違い



気付けばもう夜だった。
少し気持ちが落ち着いたリリアは、ゆっくり立ち上がると食事をとりに行こうとドアを開けた。
するとドアの隣に座り込み項垂れているリヴァイの姿があり、驚き後ずさる。

「リヴァイ?!いつからいたの?!」
「いや…」

どうやら声を掛けにくく、出てくるのを待っていたらしい。

「…どうぞ、中に入って?少しお話ししよ?」
「あ、あぁ」

リヴァイを部屋に入れると椅子を勧め、紅茶を出した。
しかし二人とも手を伸ばさない。
暫く沈黙が続き、ようやくリヴァイが口を開く。

「リリア…すまなかった。疲労していたとはいえお前を突き放すような事をして…」
「別に、もう気にしてないし、さっき言ったでしょ?私はもうリヴァイに頼らないから、疲れた時は休んで好きにして?」
「オイ…」
「もうこれ以上親しくなるのやめよ?リヴァイに私は相応しくない。もっとリヴァイに合う人いると思うよ?」
「……そりゃお前……本気で言ってんのか?」

リリアは笑った。

「一人で大丈夫!だからリヴァイも自由に…」
「言えよ!!もっと甘えさせろって!!無視すんな、こっち向けって!!」
「……え…」
「我慢すんなよ……お前の性格はちゃんと分かってんだ。ちゃんと言ってくれ……すまなかった…」


誰よりも甘えたがりで、寂しがりやで…
でも人に迷惑をかけまいと我慢して一人で泣く
リリアはそんな人間だ


リヴァイは立ち上がるとリリアの前まで歩み、リリアを抱きしめた。
するとリリアの目から涙がポロポロ流れ、嗚咽を漏らしながらリヴァイの服をギュッと掴んだ。

「うっ……うぅ……うぅぅ…寂しい…リヴァイ……」
「あぁ…すまなかった」

リヴァイはリリアを抱きかかえるとギュウっと力強く抱きしめた。

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