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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第45章 #45 すれ違い



リリアは部屋に戻り鏡を眺めた。
どれくらい切れば結わなくていいだろうか。

「適当でいいか」

机の引き出しからハサミを取り出すと適当な位置で髪を挟んで手にグッと力を入れた。
しかしなかなか切れない、髪を切るのに片手では力の入り具合がバラバラで上手くハサミを扱えない。

ふぅ、と息を吐きハサミを下すと刃で切れた髪の毛がパラパラと床に落ちた。

そして再び鏡を見つめる。
いつもリヴァイが髪を結ってくれる表情を鏡で見ている。
彼は本当に大事にリリアの髪を優しく結ってくれる。
納得がいかなくて何度もやり変える時もある。
もういいよ、と言っても自分が納得いくまでやめないその姿を可愛いと思えた。

リリアは床に座り込むと膝を抱えた。


「……もうやだ」




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