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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第44章 #44 海へ



海周辺の調査が終わり、やはりこの辺りにももう巨人はいない事が分かった。
今夜はここで野営をし、明日壁内に戻る事となった。
陽はだんだんと落ち、海がオレンジ色に輝いている。

浜辺にはリリアとリヴァイの姿、その二人を離れた所からハンジが見守っていた。
その表情はとても嬉しそうだ。

「ハンジさーん!夕飯出来たそうですよ!」

アルミンとコニーが声をかけに来た。二人もハンジの視線の先を見る。

「お、兵長二人はイチャイチャタイムっすか?」
「リリア兵長、リヴァイ兵長の隣になんか砂の山作ってますね」

ははは、とハンジが笑う。
リリアは何故か自分とリヴァイの間に30センチくらいの砂山をひたすら作っているが、リヴァイはただそれを眺めているだけだ。
ただただリリアだけが楽しそうに片手でポンポンと砂山を高くしていっている。

「二人が仲良くて嬉しくてね、ずっと見てられるよ」
「昔から仲良かったんじゃないんですか?」
「いいやー!全然!!最悪だったさ」

アルミンとコニーが驚く。あの二人の仲が悪い姿など想像出来ない。
確かにここ最近かなり親しくなってはいるが、それ以前も仲間以上の関係に見える時があった。

「今の二人を見てると想像出来ないだろうけど、昔のリヴァイはリリアを罵倒するし、蹴る、叩く」
「えぇぇぇ…いや、リヴァイ兵長それは酷すぎ…」
「それくらいリリアが嫌だったんだよ。近くにいてほしくなかったんだって」

今ではどうだろう、リヴァイの方がリリアを求めている。

「何があったんです?そんな仲が悪かったのに…」
「それが分からないんだよね、急にリヴァイがリリアに優しくなったんだ。本当に急にだった。それからはご存知の通りさ、互いを信じて良い仲間になった」

ハンジは心配だった。
エルヴィンの件でリリアとリヴァイが再びあんな関係に戻ってしまうのではないかと。
しかし二人はそれを乗り越え、さらに絆を深めた。

「嬉しいったらないよ…」
「ハンジさんは二人が大事なんですね」

アルミンの言葉にハンジは満面の笑みを浮かべた。


「あぁ!二人が大好きさ!!幸せになってほしい!」

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