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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第44章 #44 海へ



どれだけ駆けただろう、目の前に見えてきた高い堤防、それを目にしたエレンが口を開く。

「間違いない、ここの場所でエルディア人は巨人にされた。そしてあの先に……」



堤防を越えた先に広がった場所があった。
一同はその場所で馬を止め息を飲む。

そこには見渡す限りに広がる"海"があった。
キラキラと波が輝きとても美しい。


これが……あの"海"




馬から降りると皆は浜辺に行き、恐る恐る海に近付いた。
リリアも靴を脱ぎ、波打ち際に立った。足にかかる波に驚き後ずさる。

「ひっ!!冷たい!!」

隣でハンジも海の中に入り驚きの声を上げた。

「ほえー!!これ全部塩水なのー?はっ…何かいる!リリア、見て見て!!何これ?」

海の中にいる黒い物体を持ち上げリリアに見せる。リリアは眉をひそめながらそれを眺めた。

「何コレ……」
「柔らかいよ、プニプニ」

「オイ、ハンジ、リリア。毒かもしれねぇから触るんじゃねぇ」

少し離れた場所から声をかけたリヴァイ、リリアはジッとリヴァイを見ると海から上がりリヴァイの手を引いた。

「なっ!!やめろ!!」
「気持ちいいよー!!」

勢いよくリヴァイを引っ張り、二人して海にバシャンと飛び込んだ。それを見てハンジが笑う。

「っの、バカ!!」
「あははは!!リヴァイビシャビシャー!!」

リヴァイは呆れたように海から出て行き、そんなリヴァイを見てリリアとハンジが顏を見合わせ笑った。
するとハンジがジッとリリアを見つめる。

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