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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第43章 #43 兵士長二人の恋愛事情



リヴァイは兵舎の中庭の階段に腰を下ろし項垂れていた。
なかなかリリアが見つからず困っているのだろう。
彼を視界に入れたリリアは静かに近付き、リヴァイの隣に腰を降ろした。
いきなり現れたリリアに、リヴァイは驚き後ずさる。


「リリア?!おま…一体どこに……!って違うな、まずは謝らねぇと…」

リヴァイはリリアの方へ体を向けた。

「突き飛ばしてすまなかった。怪我はないか?」

手を伸ばすとリリアの体がビクビクっと震え、腕を上げて構えてしまった。
おそらく再び突き飛ばされると体が拒否してしまったのだろう。
小さい頃のトラウマで、こういう事に関して体が勝手に防衛してしまう。

「っ…リリア…」
「ご、ごめん!何ともないよ!!体が…勝手に…あの、あの…怪我はないよ」

リヴァイは優しくリリアの手を握ると、ゆっくり、ゆっくり彼女を抱きしめ、ぶつけた後頭部を摩った。

「痛いか?」
「ううん、平気。あの…リヴァイごめんね、私リヴァイの気持ち考えずに…」
「いや、謝るのは俺だけだ。お前は悪くない」

するとリヴァイは手を握ったまま立ち上がった。

「場所を変えねぇか?ここは人目につく」
「うん」

二人はリヴァイの部屋へと向かった。
ベッドの端に座り、改めてリリアはリヴァイの方を向き頭を下げた。
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