第43章 #43 兵士長二人の恋愛事情
「リヴァイ……あの…」
「頭を上げろ、お前はまったく悪くない。俺のせいで傷付けた。ごめんな」
「実はさっきまでハンジのとこに居て…ちゃんと話し合いなさいって」
はぁ、とリヴァイは息を吐いた。
事情をハンジに知られたのが情けなくて仕方ない。
リリアから聞くハンジの予測は当たっていた。
「俺はこんなだからな、他人と口を合わせるとか冗談じゃねぇと思っていた。それ故に好きな女も出来なかったしな、そのツケがこれだ」
「じゃあ私とキスしたくないって訳じゃないんだよね?」
「してぇよ、だから頬とか額にはしてたろ。ただ唇にするには根性がねぇんだ」
うんうん、とリリアは頷いた。
「私、リヴァイの気持ちの準備が出来るまで待ってる!ゆっくりでいいからね!」
「キッカケがあれば出来る」
「キッカケ…」
「もう一度お前からしてくれねぇか?」
リリアは目を丸くした。
改めて自分からして欲しいと言われるとかなり恥ずかしい。しかも今度はリヴァイは完全に起きている。
「え、あの……えぇ…」
「頼む」
ここはリヴァイのため一肌脱がねば、そう考えたリリアは頷きリヴァイをじっと見た。
「分かった!で、でも目は閉じて!」
ゆっくり、ゆっくりとリヴァイの顔に近付く。
そして自分も目を閉じ唇を優しくリヴァイの唇に当てた。
離れお互いに目を開けると、リリアの顔は真っ赤だ。
「嫌な気持ち?」
「いや、全然。じゃあリリア、目を閉じろ」
「だ、大丈夫?」
「あぁ」
リリアは言われた通り目を閉じる。
徐々に感じるリヴァイの近付いてくる気配、そして初めてリヴァイの方からリリアにキスをした。