第43章 #43 兵士長二人の恋愛事情
「成程なぁ。リヴァイが寝てる間にキスしちゃおうと思ったら、目を覚ましたリヴァイが驚いてリリアを突き飛ばしちゃったんだね」
「そりゃあ私がいきなり近付いたのがいけなかったんだけど…」
「まぁ、突き飛ばしたリヴァイが100%悪いんだけどさ、リリア、リヴァイの事よく思い出してみて?」
リリアはハンジを見つめた。
「アイツはかなりの潔癖症だろ?それ故に今まで誰かと付き合って、赤の他人と口を合わせるなんてとんでもない行為だと思ってたと思うんだよね。だから今まで誰とも恋愛した事なくて、でもようやく心から好きな人が出来たわけだよ」
「う、うん…」
「頬や額にはキスしてくれるって事は、リリアとはちゃんとキスしたいけど、唇にするのは経験がないから躊躇してるんじゃないかな」
要するに経験がないためリリアとキスが"したくない"のではなく、"出来ない"のだ。
なかなか勇気が出ないのだろう。
「私、リヴァイの気持ち考えてあげれてなかったな…。潔癖症なの知ってるのに…」
「普通なら雰囲気で自然とするものだけどさ、リヴァイに関してはこの事はデリケートな問題だから。今後付き合う上で大事になる問題だから、ちゃんと二人で話し合いなさい」
「うん、ありがとうハンジ!」
「だからって突き飛ばすのは言語道断だよ!!ホントバカな野郎だね!!でもさ、リリアの事が大好きだからあんなに汗だくになって探してたんだよ。今回だけは許してあげてね」
リリアは苦笑いをした。
きちんとリヴァイと話し合おう、自分の勝手でリヴァイの気持ちを考えてあげれていなかった。
リリアはハンジに礼を言うと団長室から出てリヴァイを探した。