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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第6章 #06 新兵勧誘式



「私は調査兵団団長、エルヴィン・スミス。所属兵団を選択する本日、私が話すのは率直に言えば調査兵団への勧誘だ」

エルヴィンの演説が始まった。
手を後ろに組み、訓練兵達は厳しい表情を浮かべたままエルヴィンの話を聞いていた。

「今回の巨人の襲撃により、諸君らはすでに巨人の恐怖も己の力の限界も知ってしまった事だろう。しかしだ、この戦いで人類はこれまでにない程勝利へ前進した。エレン・イェーガーの存在だ」

そしてついにエルヴィンが餌を撒き始める。
エレンの事を口に出したのだ。

「彼が間違いなく我々の味方である事は、彼の命がけの行動で証明している。さらに我々は彼によって巨人の侵攻を阻止するのみならず、巨人の正体にたどり着く術を獲得した」

訓練兵達がざわめき始める。
予想通りの反応だ。
今まで人間達を苦しめてきた巨人の正体が分かるというのだから。

「彼の生家があるシガンシナ区にある地下室には、彼も知らない巨人の謎があるとされている。その地下室に辿り着きさえすれば、我々はこの100年にわたる巨人の支配から脱却できる手掛かりを掴めるだろう」

壇上の横からペトラとミケが出てきて地図を広げた。

「我々はシガンシナ区の地下室を目指す。ただそのためにはウォール・マリアの奪還が必須となる。つまり目標は今まで通りだがトロスト区の扉が使えなくなってしまった今、東のカラネス区から遠回りするしかなくなった」

エルヴィンはさらに続ける。
しかしこの先は訓練兵達に恐怖を煽る言葉だった。

果たして訓練兵達はこれから放たれるエルヴィンの言葉の恐怖に耐える事が出来るのだろうか…


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