第42章 #42 お帰りなさい
「ぬあっ?!どうしたの?!」
「………置いていくな…」
「あ、ごめん。早く歩きすぎたかな?」
ギュウゥと力を込めて抱きしめてくるリヴァイ、痛いくらいだ。
何やら様子がおかしい事に気付いたリリアは、ポンポンと抱きしめられたリヴァイの腕を叩いた。
「リヴァイ?どうしたの?痛いよ?」
「リリア……リリア…好きだ、好きだ……お前も俺の事が好きだよな?好きだと……言ってくれ……頼む…」
リリアは目を丸くした。
やはりリヴァイの様子がおかしい。こんな事言う人ではない。
以前返事はいらないと言っていたのに、何故今は強制的に言わせようとするのか。
何か不安な事があり、自分を安心させようとこうしているのではないか。
(何だろう……リヴァイが不安に思う事?)
"置いていくな"
リリアはリヴァイの腕を少し緩めるとゆっくり彼の方に体を向き直した。
「リヴァイ、もう一度私をどう想っているのか伝えてくれる?そうやって強制的に言わせるんじゃなくて……今度は私もちゃんと返事をするよ」
「……」
「ねぇ、私に言って?もう一度。リヴァイ……」
暫く沈黙が続いたがリリアは待った。
するとようやくリヴァイがゆっくりと口を開き始めた。
「…俺は……リリアが……好きだ……お前は…俺の事をどう…思っている」
「今私がリヴァイの前にこうしていられるのは、リヴァイがずっと側にいて支えてくれたからだよ。貴方がいなければ私はここにはいなかった。とても感謝してる」
リリアはリヴァイの手を取り、そして満面の笑みを向けた。
「私もリヴァイが大好きです。置いていったりなんかしない、これからもずっとずっと一緒にいようね」
何だろうか
リヴァイの頭の中でパチンと何か音が鳴った気がした
守る
俺がコイツを……
何があっても
もう絶対に
失いたくない
俺の……
宝だ………