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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第42章 #42 お帰りなさい



「お待たせしたね」
「……」

受け取った箱は軽く、あんなに大きく自分を包んでくれたエルヴィンがこの中にいるとはとても思えない。

「遺品は…ごめんね。長い時間待たせたから色々とね……全て一緒に火葬してこの箱に」
「うん」

するとハンジは兵達の前に戻り姿勢を正してリリアを見た。


「エルヴィン団長のおかげで我々はウォール・マリアを奪還する事が出来ました。全てエルヴィン団長の作戦、指揮のおかげです。これまで長い間、我々を導いて頂き本当に感謝しております」


一斉に調査兵団の兵士が頭を下げる。
ハンジもリヴァイも深く、深くエルヴィンの入った箱に向かって礼をした。
彼がいなければ自分達はウォール・マリアを奪還する事は出来なかっただろう。
リリアは箱をギュッと抱きしめると口を開いた。


「兄は……兄は日頃から良い仲間に恵まれたと言っていました。時には残酷な作戦に恐怖を与えてしまった事も多々あったと思います。納得出来ない事もあったでしょう…恨む事もあったでしょう……それなのに……最後まで兄を信じ、付いてきてくださり……ありがとうございました」

リリアも涙声で頭を深く下げた。



お兄ちゃん……
お帰りなさい………


私達は今
あなたのおかげでここに立っています



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