第41章 #41 貴方の匂い
リリアは誰かに必要とされ、自分もその人物のために尽くさないと生きていけない性分だ。
その対象が以前はエルヴィンで今はリヴァイになったのだろう。
(……てことは何だ?リリアは俺の事を好きだって事か?)
リヴァイはリリアの方を見ると口を開いた。
「なぁ。お前」
「ん?」
「俺の事好きなのか?」
ガチャンと持っていたカップを机に落としたリリア、明らかに動揺している。
「ふぇ?!あっ!カップ!!……いや、てかリヴァイ返事いらないって言ったじゃん」
「返事というかただの疑問だ。で?」
「それはズルいんじゃないの……」
リリアは顔を真っ赤にして黙り込んだ。
こんなにもリヴァイに甘え、頼っている自分の姿を見せているにも関わらず、自分に好意がある事に気付かないものだろうか。
いや違う、リヴァイは言わそうとしている。
「リヴァイの事は……す、す、す……」
「……」
「素敵な人だなと思っています!!」
そう言い放つとカップをそのままに部屋から飛び出した。
リリアがいた場所をじっと見つめたままのリヴァイ、思っていた回答と違った。
「……なるほど、そう来たか」
その時だ、部屋の外からリリアの声が聞こえた。
「リヴァイ、ズルい!!!」
「……」
そしてバタバタという足音が遠のいていった。