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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第41章 #41 貴方の匂い



「ご、ごめん。大丈夫!じゃあね!私、もっと頑張るから……そしたら…壁外調査連れてってくれるよね?」
「………討伐目的の壁外調査は許可しない」
「リヴァイの分からず屋…」
「あ?俺はお前を心配して……」
「リヴァイの役に立ちたいのに!!!バカ!!バカ!!お兄ちゃんの役にもう立てない私の生きてる意味奪わないでよ!!!何の為に生きて………何の…為に生きてる?」


カタカタと体が震えだし眼球がキョロキョロ動き視点が合わない。
呼吸が乱れて体全体で息をしている。
リヴァイは慌てて立ち上がるとリリアを抱きしめた。
ゆっくり背中を叩き落ち着かせる、リリアはかなり動揺している状態だ。


(俺がダメだと言ったからか?よく今まで何もなかったな)


"リヴァイの役に立ちたい"


リヴァイがいない間、リリアはリヴァイの役に立ちたいが為に一人で訓練をしてきた。
それが今の彼女の生きる意味だった。リヴァイの為に頑張りたい、頑張ればきっとリヴァイが必要としてくれると。
それを本人に断られ、おそらく精神的に不安になったのだ、ならば何の為に生きればいいのかと。

手を見るとマメが出来、潰れ、皮が剥けて真っ赤になっている。
おそらく足や体にも必死に訓練をした痕があるのだろう。


「……そうか…頑張ったんだな、一人で。次の壁外調査に行きたいが為に…」
「………置いていってほしくないの。私が使えなくて置いて行くなら、私、ちゃんと使えるように強くなってみせるから。置いていかないで」
「使えないから連れて行かない訳じゃねぇ。でもな、やはり次の討伐目的の壁外調査にお前はまだ間に合わねぇ。だがウォール・マリアの外に行く壁外調査へは連れて行く。だからそれまでしっかり体力つけて訓練しろ。分かったな?」

リリアはゆっくり頷いた。
納得はしていないだろう、だが焦っても仕方がない。


「報告書書く」
「あ、うん。私、お茶片付けたら帰る」

リヴァイは離れると机に着き、リリアはお茶を片づけ始めた。
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