第41章 #41 貴方の匂い
暫くするとリヴァイが部屋へと戻ってきた。
「おかえり!お茶淹れたよ!」
「あぁ」
リヴァイは椅子に座り用意された紅茶を飲みながら今回の壁外調査の事をリリアに報告した。
今回の壁外調査で死者は出なかった事、巨人の数が明らかに少なくなっている事。
「なら巨人全部倒すのもうすぐ?」
「かもな」
「次の壁外調査は連れてってね?」
「だからダメだっつったろ?今のお前じゃ討伐は無理だ」
「討伐は無理でも補佐は出来るよ!」
あからさまにリヴァイが怪訝な表情をする。
「だって……だってそれじゃあ私…何の為に調査兵団に……何の…」
何の為?
誰の為?
今、私が調査兵団にいるのは何の為?
今まではエルヴィンの為に調査兵団にいた
彼に心臓を捧げた
なら今からはどうすればいいの?
固まったリリアにリヴァイは眉をひそめた。
「おい!どうした?」
「え?あ……いや…ちょっと……気持ちが…悪くなった」
リリアがゆっくり立ち上がる。
「やっぱり帰る……リヴァイゆっくり休んでね」
「おい」
あぁ
マズイ……
リヴァイに拒否される程
何の為に生きているのか分からなくなる
「お兄ちゃんに……」
「リリア!!」
ハッとリリアは我に返った。
何故かポロポロと涙が流れている。