第41章 #41 貴方の匂い
「お帰りなさい……」
「あぁ」
「……服!ちゃんと洗うから!!」
「いい。羽織っただけだろ?」
「でも他人が着た服なんて嫌でしょ?リヴァイは…」
「あ?お前は他人じゃねぇだろ」
リリアは目を丸くしてリヴァイを見上げた。
リヴァイは何故リリアが驚いているのか意味が分からず首を傾げている。
「え…?えっと……じゃあ私は…リヴァイの……何?」
「……あー……仲間?」
「そ、そうだよね!仲間だよね!」
何を期待したのかリリアは苦笑いをした。
そしてリヴァイから離れると立ち上がり一歩後方へ下がった。
「か、帰る!私いたら休まらないもん。後で壁外調査の事教えて?」
「いろよ、少し風呂入るから待ってろ」
「でも……」
「茶、淹れててくれ」
リヴァイも立ち上がりリリアの頭をポンポンと軽く叩くと、着替えを取り出し浴場へと向かった。
部屋に取り残されたリリアは、はぁ、と息を吐きながら再びベッドの端に座る。
「バカ、好きな人だーくらい言ってくれてもいいじゃん…」
と言いつつも自分も気持ちを誤魔化しているため、大きな声では言えない。
しかし部屋に戻らされず、ここにいろと言われとても嬉しい。
「お茶淹れよ!」