第41章 #41 貴方の匂い
「起きろリリア」
「むぅ……?まだ…眠いよ…」
「起きろ、帰ったぞ」
リリアはゆっくり瞼を開けた。
ボンヤリと見えてくるリヴァイの姿にまだ夢を見ているものと勘違いをし、ボゥっと彼を見つめる。
「リヴァイがいる……夢?ねぇ、まだ帰らないの?私寂しいよ…」
「夢じゃねぇよ」
「………はっ!!!」
急に覚醒したリリアは勢いよく起き上がり、顔を真っ赤にして辺りを見渡した。
「あれ?!嘘?!」
「嘘じゃねぇ。お前なんで俺の部屋で寝てる。しかも服まで引っ張り出して」
「あーー!!!失敗した!!リヴァイが戻らないうちに綺麗にして直すつもりだったのに……」
意味が分からずリヴァイが首を傾げる。
「寂しいからリヴァイのベッドで寝ようと思ったら全然リヴァイの匂いがないし…」
「に、匂い…?」
「それなら服羽織っちゃおうと思って…」
「匂いってお前な……俺は臭くねぇぞ」
「ち、違うし!!リヴァイに抱きしめられると石鹸の匂いがするの、それが…その……恋しくて…」
顔をさらに真っ赤にさせリリアは慌てて上着を脱いだ。
「洗って戻すから!!その…えっと……ひゃっ!!」
パチパチとリリアが瞬きをする。
いきなりリヴァイに抱きしめられたからだ。
数日間壁外調査に行っていたにもかかわらず、リヴァイからはやはり石鹸の匂いがフワリとする。
「寂しかったのかよ」
「……うん。だってなかなか帰ってこないから……リヴァイ…」
「ん?」
するとリリアがリヴァイの身体に右腕を伸ばしギュッと抱き返した。