第41章 #41 貴方の匂い
その日も調査兵団は戻ってこなかった。
リリアは寝付けずフラフラとリヴァイの部屋の前まで来てしまっていた。
(大丈夫だよね……リヴァイがいるんだもん。みんな無事に戻ってくるよね)
開くわけないと分かっていながらドアノブに手をかけると、施錠を忘れたのかギィっとドアが開いた。
リリアは真っ暗な部屋の中を覗き込んだ。
そこにリヴァイがいる訳ではなく、冷たい空気が身に染みる。
明かりをつけ、リリアはベッドの端に座り辺りを見渡した。
埃一つなく、机の上にも何も置いていない。
ベッドに寝転んでみるが本人が使っていないと言うように使用感が全く無く、彼の匂いも一切ない。
「リヴァイの匂いがない……」
いつもリヴァイに抱きしめられるとフワリと香る石鹸の香り、それを求めてベッドに横になったが無意味だった。
「リヴァイ……早く帰ってきて……寂しいよ」