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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第41章 #41 貴方の匂い



壁外調査当日、門の前には調査兵団の皆が集まり出発の時を待っていた。
かなり人数が減ってしまったため補充のために駐屯兵団や憲兵団からも応援部隊が何部隊か参加している。
今回の壁外調査ではリリアと怪我が完治しなかったサシャは留守番だ。

「安心してください兵長!リリア兵長は私が守りますから!!」
「……あぁ」

サシャの意気込みにリヴァイは不安げに返事をした。
するとコニーがリリアに声を掛ける。

「リリア兵長、サシャの事をよろしくお願いします。メシ奪われないように気を付けて下さい」
「え?!ご飯?!おぉ…気を付ける…」

リリアは後方で俯いていたフロックを視界に入れた。
戻ってきてから元気がないらしい。

「フロック!」
「え…」
「巨人を相手にするのは初めてで怖いかもしれないけど、命を大事に頑張ってきてね!無事を祈ってる。私も次の壁外調査には行けるように訓練頑張るよ!!」
「どうして俺なんかに…」
「なんかって言わない!!フロックも大事な仲間でしょ?心配するのは当然!」
「リリア兵長……行ってきます」

ニコッと笑いリリアは再び前方へと向かって行く。
その後ろ姿を見つめフロックは複雑な表情を浮かべた。

どうして自分にも優しく声を掛けるのだろうか、フロックには分からなかった。



「それじゃあそろそろ行くか!」

ハンジが馬の手綱を強く握った。
リリアは隊列からゆっくりと離れ先頭にいるリヴァイを見つめる。
リヴァイもチラリとリリアの方向に視線を向けた。

「行ってらっしゃい!!」

大きく手を振るとリヴァイは小さく手を上げた。

「行こう!!」

ハンジの号令と共に門が開き、調査兵団達は一斉に飛び出して行った。
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