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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第40章 #40 エレンの変化



「勲章授与式終わってからエレン元気ないってハンジが教えてくれたんだ。私、今兵舎にいないから気付いてあげられなくてごめんね」
「い、いえ!あの…別にオレは…」

エレンが視線を落とす。
確かにあの勲章授与式に"何か"があったのは事実だ。
しかしそれは誰にも言う事は出来ず、エレンは一人何かを抱え込んでしまっている。

それは今日会ってリリアも分かったが、おそらくエレンはどうしてそんなにも沈んでいるのか話してはくれないだろう。
話す気ならとっくに誰かに言っている筈だ。


「話してくれなくて良いんだよ、誰にだって言えない事はあるもの」
「………」
「ただね、これだけはエレンに伝えておこうと思って」

そう言われエレンはリリアを見つめた。

「これから先、何があってもエレンは大事な仲間だよ」

その瞬間エレンの目から涙がこぼれた。

「……エレン?」
「ごめ…ごめんなさい……リリア兵長…オレ…オレ……」

リリアは優しく微笑むとエレンを抱きしめた。
エレンも力一杯リリアを抱き返し嗚咽を漏らす。

「リリア兵長……ごめんなさい…ごめんなさい」
「どうしてそんなに謝るの?エレンは何も悪い事してないよ?」
「違……オレ…この先……」


しかしそこから先は言わなかった。
ただリリアの胸の中で涙を流していた。
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