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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第40章 #40 エレンの変化



太陽がだんだんと傾いてきた。
リリアがエレンを連れてやって来たのは壁の下だった。
勿論今は任務外なので壁上へは行けない。
しかしリリアの目的の場所はそこのようだ。

「上にあがるんですか?」
「うん!リフト上げてもらう」
「えぇ…良いんですか?」
「大丈夫でしょ、私達なら」

リリアはリフトの側にいる駐屯兵に声を掛けた。

「すみません。調査兵団のリリア・スミスとエレン・イェーガーです。壁外に気になるモノがあると団長から命令を受け来ました。少し壁上にて様子を見ても構いませんか?」
(えっ?!リリア兵長?!嘘でしょ?!)
「はぁ……あまり長い時間はやめて下さいよ」
「はい!ありがとうございます」

ペコリと頭を下げるとリリアはエレンの手を引いた。

「行こ?」
「は、はい……でも…」
「何があってもエレンが守ってくれるでしょ?」
「そりゃあそうですけど…」

リリアとエレンはリフトに乗り、壁の上に到着した。
勿論、立体機動装置など付けていないので落ちないよう気を付けなければならない。

壁に登り二人の視界に入ったのはオレンジ色のとても綺麗な夕日だった。


「夕日が……凄いな」
「こっち!座って見よう?」

二人は壁の端に寄ると腰を下ろした。
どうやらリリアはこの夕日をエレンに見せたかったようだ。

「リリア兵長、夕日を俺に見せたかったんです?」
「本当の目的はこっちだよ、パイはオマケ!」
「何でです?」

リリアはゆっくり沈む夕日を見つめながら口を開いた。


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