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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第40章 #40 エレンの変化



目の前にいつも並べられているパイの数々、その隣に目的の木の実がたっぷり入ったパイ。
リリアが指差したのは小さく切られたパイではなく丸ごと一つのワンホール、エレンは目を丸くした。

「え……丸ごと?」
「うん!!エレン、取って!!私腕ないから取れない」
「あ、はい!!食べれます?」
「余ったら持って帰る!」

購入したパイを持ち、市場から少し離れた静かな休憩場所に腰を下ろし、パイと一緒に買ったお茶を広げた。
あらかじめ用意していたのであろう、パイを切るための小さなナイフを取り出しカットした。
そしてエレンの前にも切ったパイを置く。

「どうぞ!」
「ありがとうございます…デカい…」
「おかわりあるよ!」

パイは甘過ぎず、木の実の食感が良くとても美味だった。
エレンは一切れ食べ終わるとリリアをジッと見ていた。
彼女の手が止まらない。
あれよあれよとパイをパクパクと食べていく、この調子で行くと残り全て食べ切ってしまうのではないかという勢いだ。

(ま、マジか……リリア兵長の胃袋どうなってんだ…)

「はぁー!!ご馳走様!美味しかった!!」
「………」

エレンの想像通り、リリアはパイを全て食べ切った。

「……マジで食べ切った…」
「お腹いっぱい」
「そりゃあそうでしょうね」
「じゃあ次行こうー!!」
「え?まだ食べる気ですか?!」
「それはさすがにないけど!エレンと一緒に行きたい所あるんだー!」

一体どこへ行くと言うのだろうか。
リリアはそこに行く時間は夕方がいいと言う、二人はその時間まで町を回り時間を潰す事にしたが、エレンはこんなにも長い時間リリアの外出に付き合っている事に気が気ではなかった。


後々のリヴァイが怖い。
今頃探しているのではないだろうか。


しかし何故リリアが自分を連れ出したのか、それがいまだに分からない。


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