第39章 #39 一歩前へ
「君が…エルヴィン団長を生き返らせようと必死だったのは知ってる」
「そうだ。お前じゃなく、団長が相応しいと思った。でもそれは俺だけじゃない。皆だ、報告書を読んだ誰もがそう思った。何でエルヴィンじゃないんだって」
フロックがアルミンを責めている。
リリアは何も出来ず俯き、リヴァイはそんなリリアの手を握りながら、彼らを見守った。
するとエレンが前に出てフロックに言い返し始めた。心配そうにミカサが後ろに付いている。
「お前がアルミンの何を知ってるって言うんだ、言ってみろよ!」
「知らないなぁ。俺は幼馴染じゃないし、仲良しでもないから。でも、何でアルミンが選ばれたのかは分かる。お前ら二人と、リヴァイ兵長が私情に流され注射薬を私物化し、合理性に欠ける判断をしたからだ!ようは大事なものを捨てる事が出来なかったからだろう!!」
その言葉を聞いたリリアが立ち上がろうとしたが、グッとリヴァイが腕を引いた。
お前は行くな、そう言いたげだ。
リリアは眉をひそめると、浮かした腰を再び降ろした。
「なぁ、お前そろそろ黙れよ」
「エレン、お前って腹の底じゃ何だって自分が一番正しいって思ってるんだろ。だから最後まで諦めなかった。聞き分けのねぇガキみてぇに」
「っ!?」
「エレン、もういいから離れて」
ミカサが反論しようとしたエレンを止めた。
「その点ミカサはまだ大人だった。最終的には諦めたんだから」
ミカサが目を見開き、止めたエレンの肩から手を離した。
するとジャンとコニーが間に入る。
どうにかしてこの場を鎮めなければ…。