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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第39章 #39 一歩前へ



広間に到着したリリアは大きく息を吐いてしゃがみ込んだ。

「おい、大丈夫か」
「……リヴァイ…気持ち悪いよ」
「まだ早かったか…。こっち来い、ここに座れ」

顔色の悪いリリアを長椅子に座らせ背中を摩るリヴァイ、やはりここに来るには早すぎたようで心が周りに追い付いていない。
しかしここから一人で病院に戻らせるわけにもいかない、何とかリリアの気持ちを和らげないものか、リヴァイは少し崩れたリリアの髪の毛を触った。

「崩れちまったな、結構上手くいったんだが…編み込み…」
「………解く?」
「いや、時間まだ少しあるしな。後ろ向け、直す」

鼻を啜りながらリヴァイに髪を直されるリリア、少しだけ気分が晴れてきた。

「ちゃんと可愛くしてね」
「お前は何もしなくても可愛いだろうが」
「……本気で言ってる?」
「嘘は言わねぇ」

へへへ、と嬉しそうにリリアは笑った。
その時だ、遠くからハンジが手を振りながらやって来た。

「おーい!リリア!リヴァイ!!」

リリアを見るや否や、ハンジは力一杯リリアに抱き着いた。

「リリアー!!可愛いねぇ、リヴァイに髪の毛やってもらったの?」
「うん」
「こんな才能あったのか…リヴァイすご……。体調はどう?」
「あんまり……」

だよねぇ、とハンジがリリアの隣に座る。
とにかく周りの視線が痛い、特にリヴァイはエルヴィンの命を私的に奪った為、周りからは良く思われていない。
リリアには同情と、リヴァイの行動をなぜ止めなかったのかと責任を問う声もあるらしい。
いかにもその場にいなかった者の意見だ。

「まぁ、今は我慢、だね。リヴァイ、リリアをちゃんと守ってよ?」
「分かっている」

暫くリヴァイとハンジと共に休んでいたが、三人の耳に何やら言い合っている声が聞こえてきた。
その方向を見るとリヴァイ班のメンバーとフロックがおり、雰囲気が悪い。

リリアは心配そうに彼らを見つめた。


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