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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第38章 #38 伝えたかった事



「やめろメガネ!」
「嫉妬兵士長が戻ってきた」
「あぁ?」
「それじゃあこの辺でお暇するよ。リリア、また来るね!」

そう言うとハンジとナイルは病室から出ていった。
はぁ、というリヴァイのため息にリリアは少し笑いが込み上げる。
リヴァイと視線が合うと恥ずかしくなりスッと逸らした。
どうしても意識してしまう。

「あ、あの、リヴァイ」
「なんだ」
「勲章授与式の資料見せて?見たい」
「なんだ、出る気になったか?」

リヴァイが棚から勲章授与式の詳細が書かれた紙を出しリリアに渡す。
ありがとう、と受け取りながらリリアは首を振った。

「勲章授与式は後ろから見てるよ、でも勲章はいらない」
「そうか」
「流れを見ておきたいだけ。どんな事するのかなぁって」

リリアが資料を読む中、リヴァイはベッドの横に椅子をつけ座った。
いつもの定位置だ。

「わぁ、リヴァイ、リヴァイ!勲章受け取った後、女王陛下の手の甲に口付けだって!ちゃんと出来る?」
「出来るに決まってんだろ」
「はは!あー……」

徐々にテンションの下がるリリア、読んでいた資料をリヴァイに返し布団に潜った。

「どうした?」
「具合悪い。寝る、おやすみ」
「おい、大丈夫か?どうしたいきなり…」

リリアは拗ねていた。
リヴァイがヒストリアの手の甲とはいえ口付けする事に。

自分も女型の巨人の捕獲作戦の時に前髪に口付けされた事はあったが、直接肌に触れるようなものではなかった。
リヴァイへの気持ちに気付いた今、自分よりも先にそんな事を他の女性にする事が儀式的なものとしても少し悔しい。

「平気か?」
「寝てます」
「寝てねぇだろ。だから何だって…」

リヴァイが布団を捲ると顔を真っ赤にしたリリアがうずくまっていた。

「オイオイオイ…真っ赤じゃねぇか!また熱ぶり返したか?」
「違うし……もう…リヴァイ嫌い…」
「はぁ?訳分かんねぇ事言ってんじゃねぇよ」

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