第38章 #38 伝えたかった事
「エルヴィンの事を思ってなら気にする事ないと思うよ」
「え?」
「何の為にリリアをリヴァイに任せたと思う?リリアとリヴァイ、二人で先に進んでほしいからだろ?それをリヴァイも理解してたと思ってたけど…アレか!リリアから断られるのが怖かったな?!」
ハンジが一人でブツブツとリヴァイの小言を言っている中、リリアはハンジが言った言葉を噛みしめた。
二人で先に進んで欲しいから
「ハンジ」
「ん?」
「ありがとう、リヴァイにまだ返事は出来ないけど……その……ね…私もリヴァイの事は大事だから…えっと…」
あえて"好き"とは言わないリリアにハンジは苦笑いをした。
「ゆっくりでいいんじゃない?」
「うん……」
「私はねぇ、リリアもリヴァイも大好きだから、二人が幸せになってくれたら凄く嬉しいよ?まぁ、私は何があってもリリアの味方だけど?」
ははは、とリリアが笑う。
するとハンジが再びリリアをギュッと抱きしめた。
あんなに壊れかけていたリリアが、こんなにも笑うようになっている。
心の底から嬉しい気持ちが湧き上がる。
自分には出来なかった、リリアを引っ張り上げる事が。
「ハンジ?」
「…くそぅ…ちょっと悔しいな」
「ん?」
「もー!!リヴァイなんてやめてさぁ!私の事好きにならない?」
「私はハンジの事も大好きだよ?」
ハンジはその言葉に感激し、さらに力を入れてリリアを抱きしめあげた。
「くぅぅぅ!!リリア!!好きーー!!可愛い!!欲しい!」
「ハンジぃ……!く、苦しい」
その時だ。
パコンとハンジの頭をリヴァイが軽く叩いた。
後ろではナイルが笑っている。