第38章 #38 伝えたかった事
病室に戻ったリリアとハンジ、リリアをベッドに座らせるとハンジも隣に座った。
「リリア、本当にゴメンね。私のした事でリリアを苦しめたよね」
「ハンジは悪くないよ!私のためを思ってくれたんだもん。ありがとう」
ハンジは泣きそうな顔になりながらリリアを抱きしめた。
「本当に良かった…リリアに何かあったらどうしようかと気が気じゃなくて…」
「ゴメンね…」
「昔さ、壁外調査の時に私が無断で一人で飛び出して行った時があったよね。その時リリア、すごく泣いて心配してくれて…。今あの時のリリアの気持ちが痛い程分かったよ……こんなにも不安だったんだね」
そうだよ、とリリアがハンジの背中をポンポンと叩く。
「リヴァイに感謝だな」
「ねぇハンジ、私ね、リヴァイに聞いたの。どうしてここまでしてくれるの?って」
「おぉ!」
「そしたらハンジの言う通りだった」
「だろ?だろ?で、リリアはなんて答えたの?」
リリアは寂しげな顔をし俯いた。
「リヴァイは……答えなくていいって」
「は?」
「勝手に好いてるからお前は好きに生きろって」
「はぁぁぁあ?何言ってんだあのバカは!」
「いいの!私も答えられないと思ったから!」
ハンジはジッとリリアを見つめた。
それはエルヴィンの事があるからだろう、亡くなって間もないのにリヴァイの気持ちに答えるなど彼女は出来ない。
しかしエルヴィンはそうは思っていなかったはずだ、そうでなければリヴァイにリリアを任せたりしない。