第38章 #38 伝えたかった事
良いのだろうか聞いても…。
エルヴィンを亡くしたばかりのリリアには、それに答える気持ちの整理はまだついていない。
しかし、言わないでくれとその一言が口から出ない。
「リリア、俺は……」
待って…待って……
私はまだそれに答えられない
でも……
「お前が好きだ。それがお前の問いに対する答えだ」
リヴァイは直ぐに言葉を続けた。
それはリリアが予想していなかった言葉だった。
「だがお前は俺の今の言葉に答えなくていい。俺が勝手にお前の事を好いて側にいるだけだ。これから先、お前に好きな奴が出来ればそいつと幸せになればいい」
「え……」
「俺に答える必要はねぇ。お前の好きに生きろ」
リリアは視線を下げた。
何故自分はこんなにもショックを受けているのだろうか。
そういえば昔エルヴィンにも同じようなことを言われた。
「話は終いだ。そろそろ病院に戻るぞ」
「うん…」
リヴァイの気持ちには答えられないと思っていたのに、本人から返事はいらないと言われショックを受けたリリアは、自分の矛盾さで嫌気がさした。
しかしこれで良かったのかもしれない、少なくとも今の関係は維持できるのだから。
(でも何でこんなにモヤモヤしちゃうんだろう…)