第38章 #38 伝えたかった事
窓からの日差しで目が覚めたリヴァイ、自分の胸の中で眠っているリリアを覗き込んだ。
(落ち着いてるな、もう大丈夫か)
「リリア、起きろ」
「ん……」
「具合はどうだ」
リヴァイはリリアの体を横にし布団を掛けた。
「まだ少し怠いけど大丈夫」
「そうか。もう少し落ち着いたら戻るぞ、ハンジをあまり待たせられない。かなり心配していたからな」
リリアの頬を撫でると気持ち良さそうにその手に擦り寄った。
今までの散々触る事を拒否されていたリヴァイだったが、リリアの中での変化でかなり甘えてくれるようになった。
表には出さないがそれがかなり嬉しい。
「ねぇ、リヴァイ?」
「ん」
「どうして……ここまでしてくれるの?お兄ちゃんに頼まれたからなら無理しないで」
それとも…本当にハンジの言う通りなの?
「……なぁ、ウォール・マリアから戻ったら言いたい事があると言ったのを覚えてるか?」
「え?うん」
「お前、エルヴィンの事が好きだったろう?兄としてじゃなく男として。アイツもそうだ、お前を女として好いていた。俺の入る余地はない、だから伝えるだけ伝えようと思ったんだ。どうせダメなら」
リリアはリヴァイを見つめ、焦った。
彼が言おうとしている事が分かったからだ。