第38章 #38 伝えたかった事
食事を終え、数時間経った頃だった。
落ち着いて眠っていたリリアだが、急にうめき声を上げ出した。
「リリア?どうした?」
見ると顔は真っ赤だが、寒そうに体がカタカタと震えている。
「リヴァイ……寒い」
「寒い?熱が上がってんのか。待ってろ何か薬貰って…」
リヴァイが立ち上がり歩き出そうとした瞬間、リリアが服を引っ張りそれを止めた。
今にも泣き出しそうな表情でリヴァイを見つめている。
「行かないで……お願い…置いて行かないで…」
「すぐ戻る」
「行っちゃやだよ……リヴァイ…一人にしないで…リヴァイ…」
薬などいらない、リリアにとってはリヴァイが側にいることが一番なのだ。
リヴァイは分かった、と一言言うと椅子に腰を下ろした。
体の震えでカタカタとベッドが鳴る、あまりにも寒そうな姿にリヴァイは何か暖まるものはないかと探すが毛布は全てリリアに掛けてあり、部屋もかなり暖まっている。
「……リリア体起こせるか?」
「…うん…」
するとリヴァイは立ち上がりベッドに上がった。
壁を背に座るとリリアの手を引き自分の足の間に座らせると胸に収め、後ろから抱きしめるようにして毛布を纏い、リリアの体を手で摩り暖めた。
リヴァイの体温と摩擦で先程よりも温もり始める。
「リヴァイ……あったかい」
「苦しくねぇか?」
「うん、大丈夫」
大丈夫と言いつつもまだ寒いのだろうカチカチと歯が鳴っている。
リヴァイはギュッと力を込めた。
「リヴァイ……」
「なんだ」
「……ありがとう」
少し時間が経過するとリリアの呼吸が穏やかになった。
どうやら眠りについたようだ。体を横にしようと思ったが、起こしてしまいそうでリヴァイは諦めそのまま自身も目を閉じた。