第38章 #38 伝えたかった事
「私…私……」
「もういい。ほら、スープ飲め、熱いうちに」
リリアの体を起こし器を持つと、スプーンで掬いリリアの口元に運んだ。
パクリと口に含むとスープの温かさと塩分が体に染み渡る。
「美味しい…」
「全部食えよ」
「リヴァイは?」
「俺はいい。お前が食ってるの見るだけで満腹だ」
リリアは首を振った。そんな事はない、リヴァイだって空腹なはずだ。
リヴァイはいつもリリアを優先しようとする。
「スプーン、もう一つない?一緒に食べよ?」
「いいって」
「ダメ、リヴァイも食べるの」
ちゃんとスープは2人分あった。
リリアに言われリヴァイは小さく息を吐くと自分の分を取りスープを口に含んだ。
「……うめぇな」
「うん!」
へへへ、とリリアが笑いそれを見たリヴァイは目を見開く。
いつぶりに彼女の笑顔を見ただろうか、その瞬間胸がギュッと痛んだ。