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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第37章 #37 夢の終わり



『これでお父さんの仮説は正しいものだと証明された。お兄ちゃんと私の夢が今終わった。もう何も思い残す事はないよ』
「リリア…?」
『もう、終わり』


父親の仮説を証明したいというエルヴィンの夢、その夢を叶えてほしいというリリアの夢は

今ここで終わった




重たい空気の中ハンジは話を変えようとリヴァイに話しかけた。

「あのさ、これはリヴァイに。1週間後に勲章授与式があるんだ。一通り流れを見ておいてよ。リリアにも……出席してほしいんだけど…出れる?」
「もう歩く事はできる。授与式くらいの短時間なら大丈夫だろ」

しかしリリアの耳に二人の会話は入っていない。
ただ俯き、黙っている。ハンジは眉をひそめるとリリアの肩を譲った。

「リリア!聞いてる?勲章授与式、出れる?」
「………」

チラリとハンジを見上げると再び視線を下げリリアは首を振った。
そして紙に文字を書く。


『勲章なんていらない』
「え?それは何?勲章授与を辞退するって事?」
『別に私は人類の為に戦っていたわけじゃない。ただお兄ちゃんの為に戦っただけ。勲章はウォール・マリアを奪還した者が貰えばいい』
「リリアだってその一人だろう?」

「おいハンジ、もういい」

突然リヴァイがハンジを止めると腕を引き病室から出た。

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