第37章 #37 夢の終わり
次の日、病室にハンジがやって来た。
手には何やら新聞を持っている。
「やほー!!リリア、具合はどうかな?」
「うるせぇなメガネ」
代わりにリヴァイが返事をするがハンジは無視してリリアの前に座った。
そして持っていた新聞を差し出す。
「先日の議会でエレンの生家の地下室で見つかった本に書かれていたこの世界の真実を民に伝えると決まってね。明日この号外が配られる、それを先にリリアに見てせおこうと思ってね。君とエルヴィンが知りたかった事が書かれている筈だよ」
リリアは新聞を受け取り目を通す。
ハンジの言う通り、そこにはエルヴィンとリリアが知りたかった内容が書かれていた。
人類を脅かす巨人の正体は人間であり、我々と同じ祖先を持つ民族ユミルの民だった。
我々の王は100年前にこの壁を築き巨人の力で民衆の記憶を改ざんし、壁の外の人類は滅亡したと思い込ませた。
だが人類は滅んでなどおらず、我々ユミルの民をこう呼んでいる。
【悪魔の民族】と。
近い将来、敵はこの土地の資源獲得を口実に侵攻を開始する。
それが5年前から始まった超大型巨人らの襲撃である。
リリアは深く息を吐くと新聞を置き、暫く俯いた。
そしてふふふ、と笑う。
「リリア?何か可笑しい?」
笑う内容ではないのにリリアが笑った事にハンジが問う。
壁の外には人がいて、その者達はこの土地を狙い侵攻してくると書いてあるのだから面白い事などありはしない。
リリアは小さく首を振り、紙に文字を書いた。