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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第5章 #05 殺された被検体



別室では訓練兵である104期生も集められ、立体機動装置の摩耗の確認が行われていた。
一体誰が巨人を殺したのか、この中に犯人がいるのか、緊張感が漂っている。
しかし中には何故訓練兵である自分達までが疑われなければならないのか疑問を持つ者もいた。

その中、部屋の隅からリリアがその様子を見ていた。
リリアの存在がますます訓練兵達の緊張感を上げている。

「なんでリリア兵長がいるんだよ……」
「見張ってるんだよ…」

エレンの同期である104期生のコニー・スプリンガーとアルミン・アルレルトが小声でリリアを見ながら呟いた。
彼女の鋭い視線が痛い。

「視線が怖い…何で巨人を殺した事がこんな事になるんだ…」
「あの巨人を殺した事は人類にとっては打撃だ…でも…」

アルミンにはどうしても引っかかる事があった。
確かに巨人を殺した事は人類にとって大きな打撃だったろう。
しかし、訓練兵までも集め、ここまでして犯人を探す理由が分からない。

どうしてそこまで犯人を探し出したいのか。
他に別の理由があるような気がしてならなかった。


「ていうかエレンのやつ、リヴァイ兵長とリリア兵長に監視されてんだろ?よく耐えられるな…」
「リリア兵長もリヴァイ兵長に次ぐ人だからね……巨人の討伐数もかなり多い。団長の補佐についてからはあまり前線には出ていないようだけど……団長が動きやすいように裏で色々やってるって噂は聞いた」
「怖っ……」
「表はリヴァイ兵長、裏はリリア兵長。二人の兵士長が団長を支えてる」

確認作業は終わり、訓練兵達は次々と解散し始めた。
立体機動装置の摩耗は全員確認されず、犯人は結局分からないまま終わってしまった。

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