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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第36章 #36 生きろ!



「ハンジ、リリアを見てろ」
「ん?どこ行くのさ」
「うるせぇな、便所だ」
「あぁ。行っておいで」

ハンジがベッドの側に置いてある椅子に腰掛けるとリリアがハンジの服を引っ張った。

「ん?なぁに?」

声が出ないため、ハンジの掌にリリアが指で文字を書き始めた。


『どうしてリヴァイはずっとここにいるの?』
「どうしてって…リリアが心配だからだろ?側にいたいんだよ」
『何故?』
「えぇ?リリアの事が好きだからに決まってるだろ?」

その言葉にリリアが怪訝な顔をする。

『リヴァイがそう言ったの?』
「言ってないけど…見れば分かるだろ?好きじゃなきゃ自分の時間削ってまで看病しないさ。リヴァイは戻ってからほとんど寝ずにリリアの側にいるんだよ?」
『別に頼んでない』
「リリア……」

するとリヴァイが病室に戻ってきた。
何やら空気が重く、ジトっした目でリリアがリヴァイを見ている。

「……何だ」
「あぁー……リヴァイ、明日はちょっと仕事だよ」
「あ?」
「早目にエレンとミカサを牢から出すよ。その後はトロスト区で会議だ」
「その間リリアはどうするんだよ。俺は行かなくてもいいだろ、結果だけ教えろ」
「そんな訳にはいかないよ?明日だけはリリアは病院に任せるしかない」

はぁ、とリヴァイが大きく息を吐きリリアを見ると視線を逸らされた。

「一人で大丈夫か?」
「………」

無視だ、リリアはリヴァイに何かを言われても全く返事をしなくなっている。
明日の予定を確認しハンジは兵舎へと戻っていった。病室には再びリリアとリヴァイの二人だけ。

「終わったらすぐに戻る。何かあったら誰かを呼べよ」
「………」

リヴァイが手を伸ばし髪を触ろうとしたがやはり手を払われた。

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