• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第36章 #36 生きろ!



もう無理だと言われていたリリアだったが、奇跡的に命は助かった。
それからも毎日リヴァイはリリアの元に通い水を飲ませ続け、出来る限り側を離れず彼女の様子を見守っていた。


時折記憶が幼い頃に戻りエルヴィンを探しながら泣き出す事もあった。
死にたい、死にたいと何度も自分の身体を傷付けようとする度にリヴァイが体を張って止めた。
休まる時間は全くと言ってない、しかしリヴァイはリリアから離れる事はなかった。
目が覚めたら必ず視界に入るよう、ずっと側にいた。

するとリヴァイはリリアの変化に気付いた。
話しかけても、話しかけてもリリアはいつまで経っても声を出して返事をしない、頷くだけだ。



「えぇ?リリアの声が出ない?」

病室に見舞いに来ていたハンジはリヴァイから報告を受け驚きの声を上げた。

「俺と喋るのが嫌なのかもしれねぇけどな。回復してから一度も声を聞いてねぇ」
「そんな……リリア?ねぇ?声出せるかい?私の事呼んでみてごらん?」

ハンジはしゃがみ、リリアの手を握った。
しかしリリアは困った顔をしハンジを見つめた。声を出そうとしているのか口を開くがやはり声が出ない。

「出ないのか……あ、ごめんね!もういいよ、無理しないで」
「あと最近髪の色が抜けてきた」

リヴァイがリリアの髪をすくうと触るなとバシッと払われた。

「そして俺はこの通り嫌われている」
「……声は出ないし、髪の色が抜けてきてるし明らかにストレスマックスじゃないか…ご飯は?ちゃんと食べてる?」

うんうん、とリリアが頷くがリヴァイが否定する。

「食ってねぇよ。1食分しか1日食ってねぇ」
「ぬあ〜…全然足りてない……だからか、こんなに痩せ細っちゃって…」

ハンジが項垂れる。
水を飲み意識がようやくしっかりしてきたものの、食事はなかなか喉を通らず体は日に日に痩せていっていた。
しかも髪の色が抜け始め綺麗な金髪がほぼ銀髪に変わってきている。
どうにかならないものだろうかと考えているとリヴァイが背中を向けた。

/ 1007ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp