• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第36章 #36 生きろ!



ナイルが探したのはリリア、彼女は無事なのかが知りたかった。
エルヴィンを失ったとなればリリアがどんな状態になるのかナイルはよく知っている。


「リリアちゃ……リリア兵士長は?」

近くにいた憲兵にナイルは尋ねた。

「し、師団長?!さ、さぁ…分かりません。10名程無事だと聞きましたが、リリア兵士長が無事かはまだ確認が…」

ナイルは人混みをかき分け前へと進んだ。
すると目の前にリフトから降りてきた調査兵達が目に入った。
その中にリリアの姿を確認出来た。リヴァイに支えられたリリアは、力なくグッタリとしている。


「リリアちゃん!!!」

ナイルが急ぎ近付くとリリアがゆっくり視線を上げた。

「ナイル……さ……」
「リリアちゃん……よく無事で…」

すると突然リリアがボロボロ泣きながらナイルに手を伸ばした。

「ナイル兄ちゃ……!!お兄ちゃんがいない!!お兄ちゃんがいないよぉ!!」
「っ!?」
「探して!!お兄ちゃんを探して!!帰ってこない!ナイル兄ちゃん!!!」
「リリアちゃん?」

ナイルはリリアを抱きしめた。
記憶が戻ってるのか、昔のようにナイルに助けを求めるリリアに、ナイルも涙を我慢できなくなってしまった。

「ナイル兄ちゃん……!お兄ちゃんが…お兄ちゃんが帰ってこないよ…なんでぇ……リリア…良い子にするから……帰ってきてよぉ……」
「リリアちゃん……ごめん…ごめん……エルヴィンを…探してあげる事が…出来ない…」
「うぅぅ……うわぁぁぁあん!!お兄ちゃん!!」

すると隣にいたリヴァイがリリアとナイルを引き離した。

/ 1007ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp