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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第35章 #35 さようなら



「どうして…僕なんですか……誰がどう考えたってエルヴィン団長を生き返らせるべきじゃないですか……兵長!どうして僕に打ったんですか?!」
「チッ…ありのままを話せと言ったろうが」

ガンッとリヴァイがエレンを後ろから蹴る。

「いっ……!」
「少なくとも、お前の仲良し二人はそうは思わなかったそうだぞ。俺に抵抗し、人情沙汰に及ぶほどな」
「え……」

そう言われ、エレンとミカサがバツが悪そうに下を向いた。

「オレ達はどんな処分も受けます」
「当然、兵規違反の罰は受けてもらうが、罰を受ければ何をしてもいいのかい?」

ハンジが問う。

「いいえ…」
「だがな、最終的にお前を選んだのは俺だ。いや……俺の私情でエルヴィンの死に場所をここに決めちまったんだ」

リヴァイにそう言われても、アルミンは納得がいかなかった。
エルヴィンがいなくなってしまった今、この先どうすればいいのだろう。

「それじゃあ分かりません。エルヴィン団長が死んでいい訳がない。団長がもういないなんて…僕達はこの先どうすれば……」
「私も、エルヴィンに打つべきだと思ったよ、正直に言えばね」

ハンジもエルヴィンに打つべきだと思っていたが、エルヴィンではなくアルミンを選んだのはリヴァイなのだ。
だからもうハンジは何も言わない、とアルミンに告げた。


「君にはエルヴィンの命と巨人の力が託された。誰に何と言われようと、君はもうそういう存在なんだアルミン」
「ぼ、僕が…エルヴィン団長の代わりをですか……そんな…馬鹿な事が……」
「勘違いするな。お前じゃエルヴィンの代わりにはなれねぇ。だがお前はお前で人には持っていない力を持っている事は確かだ」

アルミンが顔を上げる。
するとリヴァイはエレンとミカサの頭を掴んだ。

「俺は後悔するつもりはない。ただコイツらを後悔させるな、他の誰も、お前自身も後悔させるな。それがお前の使命だ」

すると隣で寝ていたサシャがうわ言のように口を開いた。

「うるさい!」

皆がサシャを見ると、ふふ、とハンジが笑った。

「サシャには敵わないなぁ。ま、私もエルヴィンの後任の調査兵団団長としては君と似たような立場だ。こうなればお互い腹を括るしかない」
「はい……」

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